曲がり角ごとの驚きⅫ コアラの園


春先に三浦半島へ遊びに行ったら「エデンの園」という老人ホームの広告がバンバン貼ってあってちょっと驚いた。
エデンの園…か。エデンの園ってあの、パンツはいてないとこだけど…。

それはさておき、関東でコアラを見ることのできる動物園は3つある。多摩動物園埼玉県こども動物自然公園、そして横浜市立金沢動物園
多摩動物園はコアラはもう1頭しかいない。金沢動物園は昨年コアラの子供が死んでしまったり、4月にコアラがリンパ腫で亡くなったり、悲しいニュースが続いていたけれど、どうやら名古屋からコアラが来たらしい。


鎌倉へのハイキング中に通り過ぎたことしかなかった金沢動物園、これを機に行ってみようとでかけた。

京急金沢文庫駅からバスで10分くらい。海を見下ろす丘の上。


入り口がテーマパークみたいになっていてコアラが指揮するオーケストラもいるので、期待が高まる。

金沢動物園のコアラは2頭ということになっていて、まだ名古屋から来たチャーリーは記載されていない。そしてユウキは今日休みなのでユイだけ。

ランチタイム以外はずっとユーカリに埋もれて寝ている、ちょっとクールな女の子、ユイ。

…そうね…。100%そのとおりね…。クールね…。
埼玉のコアラが愛想が良かったせいか、なんだかちょっとしょんぼりしながら帰宅し、翌日は埼玉へ。
別に金沢動物園は何も悪くない。ただ、私がもう埼玉のコアラを知らなかった頃に戻れないだけ。知恵の木の実を食べてしまったお二人のように。

「あら、うちの子見に来たの?」と1回起きて出迎えてくれるドリー。

そしてまたぐーすか寝てしまう。育児って大変ですものね。

今日は全体的にみんな寝てるな、と思いながら外に出たら、すぐそこにコアラ!前回は気づかなかったが、どうやらコアラ舎のガラスケースの中は女子の園、外は男子の園になっているみたい。このイケメンはドリーの旦那でニーナの父、コタロウ。


あ、うん、なるほど、男子ですね。

こっちはピンクのお鼻のピノ氏。堂々とノーパン。
尚、ピノ氏の母エミは5月に鹿児島の平川動物公園にお嫁に行って、代わりに鹿児島からコロンという雄がお婿に来たらしい。
新しいコアラが仲間入りします! - 埼玉県
もう、この楽園でどんどん増えたらいいよ、コアラ。

ニーナを抱えて眠るドリーの丸い尻。

嫁と子供が気になるのか、お腹がすいているだけか、落ち着きなく歩き回るコタロウのスリムな尻。

男が笑うのは年に3回、と言わんばかりに常にコタロウは迫真顔。

一方女子の園では眠気優先。

だらしない。でも気持わかる。そして可愛い。

母子熟睡。

うん、関東でコアラを見るなら埼玉一択だな。なんて素晴らしいコアラの園なんだ、ここは。
ちょっと遠いとは言え、ここにくればコアラに会えると思えば頑張って生きていける気がする。意気揚々と年間パス買って帰ってきた。交通費?知らん!

傲慢とアイス

元気があればなんでもできる。
…そうですね、猪木さん。

節電とか電気使用量の集中を防ぐため、鉄道会社の混雑緩和対策…。おそらくお国と企業の苦肉の策の一環だと思うけど何年か前から朝活だのエクストリーム出社だのがもてはやされている。

朝活=デキる人、リア充みたいなイメージも着々と定着しつつある。こんな感じでいけばプレミアムフライデーもそのうち定着するのかしら。
かくいう私も年々出勤時間が早くなって、今や6時半の電車で通勤している。6時半を過ぎると駅前の駐輪場がいっぱいになってしまうし、早い時間の通勤に慣れると、もうギリギリの時間帯の満員電車には乗れなくなる。

始業は9時なのに、7時半には会社の最寄り駅についてしまうので、千鳥ヶ淵だの靖国神社だの散歩したりするが、「デキる人の朝活」、というよりは婆ちゃんの早朝散歩といった風情だ。靖国神社戦没者の遺品見て朝から涙ぐんだりして。

そんな早朝散歩がてら、1週間分のおやつを買っていこうとセブンイレブンに立ち寄ったら、何やらくじびきキャンペーンをやっており、当たったんですよ。

井村屋のあずきバーの引換券。
しかもお店の人が真顔で言うのです。「今引き換えますか?」
…いえ、今はいいです。…朝7時半にあずきバーは無理。あれ、すっごく硬いし。

セブンを出て、しみじみと考え込む。
別に朝からアイスを食べたっていい。エクストリーム出社とか流行ってるんだし、アイスを食べるだけの時間がないわけでもない。まして今は夏。早朝アイスを食べるにはうってつけだ。北の丸公園のベンチに座り、朝日を浴びながらアイスを食べるのって素敵だと思う。

ただ、問題は、朝からあの硬いあずきバーに挑む気力が私にない、ということなのだ。


なんということでしょう。
「婆ちゃんの早朝散歩」なんて言いつつ、私は心の中でいやらしく「早起きして朝から活動的、元気ハツラツな私」と自惚れていたんだ。それなのに自分で思うほどには元気じゃなかったのか。あずきバーを敬遠するくらい。なんたる傲慢、なんたる過信。
硬いあずきバーで殴られたような衝撃だ。

あの引換券をもらったのは月曜日。
火曜日も水曜日も朝、出勤がてら自らに問いかけた。
「今日は朝からあずきバー食べれる?」
答えはいつもノーだ。いつか朝からあずきバーを食べれるほどに気力の充実した日が来るのだろうか。それとももう一生そんな日は来ないのか。そんな風に、つい先を憂えて陰鬱になりもする。
あずきバー恐ろしい子…。


今日、帰りに自宅付近のセブンで引き換えてあずきバーをもらってきた。
硬いぞ硬いぞ、と覚悟して食べたらそれほど硬くもなかった。
だからってまた自分を過信して傲慢になって「朝からあずきバー、余裕でしょ」なんてトガったこと言えるもんか。
いろんな意味で大人のアイス。人を大人にするアイス、あずきバー

井村屋 井村屋 BOXあずきバー 65ml×6個×8箱

井村屋 井村屋 BOXあずきバー 65ml×6個×8箱

2015年のラグビーボール

ある日、何かが僕たちの心を捉える。なんでもいい、些細なことだ。バラの蕾、失くした帽子、子供の頃に気に入っていたセーター、古いジーン・ピットニーのレコード…、もはやどこにも行き場所のないささやかなものたちの羅列だ。二日か三日ばかり、その何かは僕達の心を彷徨い、そしてもとの場所に戻っていく。…暗闇。僕達の心には幾つもの井戸が掘られている。そしてその井戸の上を鳥がよぎる
              村上春樹1973年のピンボール

何気なくスポーツを見ている時、何か些細なことが私の心をとらえて、そのスポーツが好きになったり、その人が好きになったり、なんとなくずっと印象に残ったりする。

友達のかえる姉さんは子供の頃から家族揃ってラグビーファンで、お正月といえばラグビーをみるのが当たり前だったそうだ。
そんなかえる姉さんに大学選手権に誘われたので、これは勉強しておかなければとテレビでラグビーを見始めて、天理贔屓の心持ちで、2012年1月の国立競技場に出かけた。だからあの時天理のキャプテンだった立川くんには思い入れがある。
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その後も毎年、大学ラグビーや、トップリーグを一緒に見に行くようになって、2015年は帝京と筑波の決勝を見に味の素スタジアムへ行った。どうせ帝京が勝つんだろうと思いながら、二人して気持は筑波贔屓で「あの、福岡くんって子がすごいんでしょ?」とか言って。

うっかり帝京側の応援席の方に座ってしまい、帝京の旗やらTシャツやらもらってしまったので、静かに帝京が圧倒的に優勢な試合を見守っていたけれど、福岡くんがボールを持って走った途端にかえる姉さんが興奮して私の太ももをバシバシ叩いた。
「何あの子!!すっごい早いんだけど!チョロチョロ!って鼠みたいに走って!」
確かに、広い味スタのバックスタンドにいる私達の反対側、メインスタンドの影が落ちたグラウンドをものすごいスピードで走る小さな水色のユニフォームは鼠みたいに見えたものだ。
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鼠、なんて失礼な言い方で申し訳ないけれど、でもあれ以来、地下鉄の駅で鼠が走っているのを見かけても「そう言えばあの時の福岡くんの走りときたら」と思い出してしまう。

2015年秋のワールドカップ以降、「すごく混んでるだろうなあ」と尻込みしてなかなか観戦に行けなかったが、先日のリポビタンDチャレンジカップで久々に味スタに行った。

あの時、味スタを走っていたユニフォームと同じ水色の靴なのね、福岡くん。


この猛烈ダッシュの11番。
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カメラのスポーツモード表示ピクトみたいな躍動感だな。



最近まで知らなかったが福岡くん、医学部を目指すほどに頭にいい方なんですってね。
ええー、素敵、こりゃあ女にモテるねえ、とかえる姉さんと笑ったけれど、きっといくつになってもどんなに立派になっても私たちにとっては「味スタの鼠みたいに早い子」なんだろう。

そんな思い出の井戸の上を鳥がよぎる。きっと何度も。

1973年のピンボール (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

曲がり角ごとの驚きⅪ ぼくらが旅に出る理由

高校時代の友人Tと、もうかれこれ20年位ずっと年に数回旅行に出かけている。
Tはやたらめったら忙しいと評判の職業であるSE故、毎日帰宅も日付が変わる頃らしい。その時間には既に就寝中の私の携帯に時折Tから不穏なメッセージが投げ込まれている。
「普通の生活がしたい」とか「緑が見たいぞ!」とか。

「緑がみたいぞ!」っていうメッセージに漂うそこはかとない狂気…。あいつは大丈夫なのかと不安になる朝。

そんなTと旅行にいくと、いつでもどこでも蕎麦ばかり食べることになる。
Tがストレスで胃をやられていることと、我々が出かける先が蕎麦屋しかないような場所ばかりであることが原因だ。

こんな。
にも関わらず、出発してまもなく立ち寄るサービスエリアでうっかりコロッケ蕎麦を食べてしまったりもするのだ。私にとって、コロッケ蕎麦はなぜか旅情をかきたてる食べ物。
そして、自分が車を運転できないので、サービスエリアに来ると非日常を感じて旅行気分が高まる。サービスエリアに限らず、空港や港もそうで、時折用もないのにふらふら行きたくなる。

ふらっと冷やかしに行った仙台港で見かけた、大きなアルミ鍋持参の女子。YOUは何ゆえ鍋持参。

トランジットの人々が巡礼のように歩くハマド国際空港。

横浜大さん橋。死ぬまでに一度は船旅がしてみたい。

スペイン アトーチャ駅。新幹線のホーム。

高速道路のぐるぐる。
色んな人が色んな所へ旅立っていく場所っていいものだ。切なくなったりぐったりしたりもするけれど。

Tは昨年暮れ頃から昇進試験やら年度末やらが重なって、GWの旅行もままならず、「食欲が減る一方です」「昇格試験が終わったら旅行に付き合ってください」と不気味な敬語で死亡フラグのようなメッセージをポツポツ送ってきていた。
あらー、大変ね、と、私は呑気に四国へ行ったり三崎港へ行ったり、電動自転車買ったり。
ある日、自転車でフラフラしていたら第三京浜PAに裏から入れることに気づいてびっくり。

嬉しい驚きのまま、コロッケ蕎麦を食べて旅行気分を味わった。

そうか、これからは自力でここへ来て、あのサービスエリア特有の、コーヒールンバの流れる自販機でコーヒー買って、旅立ち気分や渋滞のうんざり気分を味わうことができるのか。

ちょっと自立したような気でいたら、昇格試験に合格したTからメッセージが来た。
「昇格したら残業代が出ない。お金がもらえない深夜残業がつらすぎます、どこか旅行にいきませんか。ちょっとつかれました!
「つかれました!」って半ギレみたいな疲れ方されてもね…。おお、恐ろしいったら。

まあ、でも旅行に行きましょう。
蕎麦屋と星空しかないような山奥はあなたの車じゃないと行けないもの。
あなたも疲労の蓄積によるその狂気をちょっと開放したらいいよ。

ぼくらが旅に出る理由

ぼくらが旅に出る理由

  • アーティスト:小沢健二
  • EMIミュージック・ジャパン
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ゴリラデイズ

ここ最近、コアラ見たさによく動物園に行くので、職場でもちょいちょい動物の話をしてしまう。

多摩動物園の象がルールに厳しいらしい。象社会もいろいろあるんだな、とか。
そんな話をいつもニコニコ聞いてくれていた、同僚のタカハシさんが先日すごい事を言いだした。
「この前、甥っ子と姪っ子の運動会があったもんで、名古屋に帰省して、ついでに東山動物園に行ってきたんだけど、あそこのイケメンゴリラがヤバイのね」

東山動植物園オフィシャルゴリラ写真集 シャバーニ!

東山動植物園オフィシャルゴリラ写真集 シャバーニ!

ああ!あの写真集やカレンダーまでお出しになってるスターなゴリラ!
「シャバーニ、1頭だけものすごいデカいんだけど、何より、もう…ケツがね…。ケツがすごいのよ。プリっとしててさあ。さすがの私もあのケツにはやられたわ。写真撮ったんだけど、黒いしガラスが反射しちゃうし全然とれなくて」
わかる。ガラスの反射、悔しい。あとゴリラとかチンパンジー、黒すぎてうまく撮れない…。

これは多摩動物園で人口アリ塚キメるチンパンジー。
東山動物園の西ローランドゴリラ、シャバーニがイケメンであるというのは知っていたが、ケツもイケてるなんて初めて知った。
興味津々でネット検索して、ああ~ん、素敵~と身悶える。
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するとタカハシさんが「実は、シャバーニにやられてクリアファイル買ったのね。でも、家に置いておいてもアレだから、会社に持ってきていいかなあ」と恐る恐る言い出す。
いいよ、いいよ、持ってきなよ、ウェルカムだよ!

翌朝、あまりの迫力に息を呑んだ。
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これはヤバい。草食べてる顔がこんなにキメ顔なのずるい。
あまりのインパクトに家に帰ってからも恋の始まりのように折に触れてシャバーニのことを思い出していた。
次の朝、出社するなり、タカハシさんに「あの…シャバーニファイル見せてほしいんだけど…」と懇願したほどだ。
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ちなみにタカハシさんによると、シャバーニはイクメンらしく、子供に野菜を食べさせたりしており、そのたびに観客から「おおおおお」という歓声があがるのだそうだ。また、女子からの「シャバーニ!こっち見てーキャー!」という黄色い声もすごいらしい。
イケメンでイクメン。おまけにいいケツ。全身からほとばしるすごいオーラ。なんだろう、見てるだけですごく元気が湧いてくる。
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我が職場に、遅れて来たシャバーニブーム。
間もなく産休の同僚も「どうしよう…恋しちゃったかも」と画像検索を始め、入ったばかりの新人ちゃんも恥ずかしそうにタカハシさんに「ゴリラ…もう1回見せてもらってもいいですか」と申し出る日々。
「みんな東山動物園行ってみて!ユキヒョウのユキチもいるから」とタカハシさん。
お金大好きそうなそのネーミングセンスも素敵だ。行くよ、もう絶対名古屋に行くよ。イケメンゴリラもいるし、何よりコアラの聖地だし。

www.youtube.com
米動物園のゴリラのゾラ 飼育員さんからプールを贈られ喜びのダンス - ライブドアニュース

そんなゴリラデイズな今日、踊り狂うゴリラのニュースと動画を見かけた。
これ明日タカハシさんにも教えよう。それでまたシャバーニのファイル、見せてもらおう。そうしたらまた1週間頑張れる。

三途の川の向こう側

三大「友達や親と“いつか一緒に行こうね”と約束する場所」は上高地尾瀬屋久島。
どれもまあ、国内だし行こうと思えば行けるけど、なんだかはるか遠くの夢の国みたいで「死ぬまでに1回行ければいいや」なんて後回しにしている。

が、課長はにんまり笑って「俺はもう全部行ったな」と言う。
そして「先週尾瀬行ってきたからさ、写真見せてあげようか」とiPhoneを持っていそいそやってきた。
あら、尾瀬ですかー。私、実は尾瀬ってどこなのかもよく知らなくて…。
と言うと、課長も「うーん、いろんな県の県境」と言葉をにごす。行ってきたくせに…。

新宿を早朝発のバスで5時間くらい、今がちょうど水芭蕉の時期だけど思ったほど混んでいなかったそうだ。
そして「是非行ってご覧。まずは日帰りでも。平坦なコースだし気構えずに。是非に」との事。
この課長の「是非に」に触発され、調べてみたら夜行バスで行く日帰りプランがあった。でも満席でしょう?と思いきや空席有り。週末の天気は晴れ予報。
…行くか。行っちゃうか、もう。

バスのチケットをポチっとして「あの…課長に触発されて週末のバスのチケットとりました…」と報告したら「マジで!?いいねえ!その行動力!!」とお褒めに預かり、有頂天。

池袋23時発。尾瀬戸倉4時30分着。鳩待峠5時30分着で14時30分まで自由行動。
ちなみに尾瀬群馬県。福島や新潟とも隣接してるらしい。関東だったんだな。

当然のことだが、歩いている間頭の中を流れる曲は「夏がくーれば思い出すー」だ。
水芭蕉か。「夢見て咲いている水のほとり」とか言うけど、水芭蕉の真ん中のマイクみたいなところって若干気持ち悪いよな、どのへんが夢見てる感じなのか、と思っていました、まだこの時は。

1時間ほど歩いて開けたところに出た途端に「あ、これはヤバいな」と思った。

だってこれ、こんなのってもう天国だもの。
私のイメージしてた三途の川の向こうってこんな感じだもの。

ああ、これが「夢見て咲いている水のほとり」か。夢見てるな、確かに。

そして人々はみな同じ方向へゆっくりゆっくり歩いて行く。
これもう完全に召されてるな。召されてるなう。

死にかけた時に川の向こうに死んだばあちゃんが立ってて「まだ来てはいけない」とか言い出すタイプの川。

亀山モデルのテレビのハメコミ画面みたいな景色。

これだけひらけていると日影がないのが少しつらい。天国も日影ないのかしら、太陽に近いから暑いんじゃないかしら、と、余計な心配をする。

帰ってきて友人に「尾瀬ヤバい、浄土感ハンパない。丹波哲郎とか宜保愛子とか出てきそう、召されそうだった」と興奮を伝えると「どんな臨死体験だよ」と笑われた。
いや、ホントあれ、尾瀬に行くって臨死体験ね。大霊界ね、懐かしい!と、また興奮。

大霊界~死んだらどうなる [DVD]

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月曜日、課長にも浄土感を伝えたが「何だよそれ」と笑われただけだった。
課長は曇りの尾瀬だったからわからなかったんですよ!
晴れてたらあれは完全に、三途の川の向こう側。

曲がり角ごとの驚きⅩ 使いみちのない風景

すべては冠を頂いた幼年期のなかに坐っている
曲がり角ごとの驚き
         トリスタン・ツァラ「内面の顔」

犬も歩けば棒に当たるし、曲がり角を曲がるたびに、
どこかへ出かけるたびに、おかしなものばかりが目につくし。

ベトナムの看板。おそらく高圧電流がどうのこうのってやつだろう。言葉のわからない私にも、言わんとすることは伝わる素晴らしい看板だが、なんて顔だ。

奈良井宿。臼改造型椅子。
人はどういうタイミングで「この臼、もう使わないな」と思うのだろう。息子が上京して餅をつく人がいなくなったとか、そういう時か。それでもなぜ「処分しよう」ではなく「そうだ!椅子にリメイクだ」と思えるのだろう。
しかし調べてみると、臼を改造した椅子はアンティークとして多く出回っており、それなりのお値段だ。
ちなみにこの椅子、割りと尻のサイズが限られる。

ベトナムのカラオケおじさん。年の瀬のお忙しい中、昼間から大音量でカラオケを歌いながら歩いてくる。かなり上手だが、なんなんだ、これは。

合羽橋。ネギスライサー・ネギー。そのまんまだが味わい深い。ネギー。

同じく合羽橋。つま太郎。「一気に仕上げる高性能。手切りにせまるつま太郎」なんと語呂の良いキャッチコピーよ…。

談合坂サービスエリアのクレイジーなホットドックさん。

大井町にて。いつから時が止まっているのか…。

スペイン。TUNA TOUR。ツナツアー。
要はあれだな。葛西臨海公園のマグロ周遊みたいなやつだな、きっと。
西洋人もマグロ周遊の雄大さには心打たれるものなのか。

バルセロナ。観光周遊バス停留所の屋根の上には各国語ガイドで使われたイヤホンが山積み。
目の前の老夫婦もやっぱり楽しそうにここに投げ捨てていた。
ゴミのポイ捨てというより、輪投げみたいな感覚っぽい。

仙台の水族館で目の前を歩いていた小学生男子のリュックについていた納豆ブローチを盗撮。
これすごく素敵。特にこぼれた納豆が。
欲しい。けど、作る気力と甲斐性はなし。

仙台うみの杜水族館で売られていたイカバッグ。怖い。

城ヶ島。行き倒れみたいな干され方のダイビングスーツ。

高松。この真ん中のマークは何なのか、あれからずっと考えている。

高知。強力ATM。強そう。何が強いのかわからないけど。

更に高知。「ソフトバンク会長王貞治様お客様です」って言われてもねえ。
ともかくソフトバンク会長王貞治様がお客様な果実店。

高松。一般道の中央分離帯
「この付近に生えるキノコ(オオシロカラカサタケ)は有毒で食べると中毒症状を起こします。持ち帰らないでください」との事。
こんな場所のキノコを採取して食べようとする猛者がいるのか…この四国の地には。

街はなんと驚きと不思議に満ちていることか。