君拾帖

すきなことだけてきとうに

しゃべるな

かつての職場の先輩であり、人生の師でも良き友でもある“かえる姉さん”と昔
合コン的なものに参加し、解散後、二人揃ってうなだれながら喫茶店で反省会をした。
かえる姉さんは深い溜め息と共に言ったものだ。

「あたしさあ、いつか恋愛マニュアルを書くチャンスがあったら表紙開いた所にでっかく書いとくわ。
“喋るな!!”ってね…」

…そうだね、我々、沈黙が怖くてやたらと喋り続けてしまったね…。
ホント、どうしてこういつもいつも、黙っているということが出来ないんだろうね。
黙っていることは日本人の美徳であるのにね。

お地蔵様の如く、野に咲く花の如く、ただ黙って生きていこう、と今まで何度誓ったか知れないのに、その誓いはいつも脆く崩れ落ち、己の成長のなさを眼前に突きつけるばかりで、今日はまた職場で余計なこと口にして、あーあーあー。

私は貝になりたい」とか言うけど、
まあ、毎回その心境になるんだけれども、
でも「口あけぬ蜆死んでゐる」って尾崎放哉が詠んでたもの…と開き直る不惑


閖上漁港の蜆。驚くほど大きいので、喋りそう。

尾崎放哉句集 (岩波文庫)

尾崎放哉句集 (岩波文庫)

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