Yの悲劇


先日、NHKガンダム誕生秘話のドキュメンタリーを見たら、ファーストガンダムが見たくなってしまい、ここ最近の私は毎朝電車の中でガンダムを見ながら出勤している。きっと周りの人には心の中で「ガンダムさん」などと呼ばれているだろう。いいですよ、別に。

久々にファーストガンダムを見ると色々設定も気になるし、何より「当時の世の中の風潮」に驚く。
ブライトさんはアムロを殴りつけた後、高らかに言う。
「殴られずに一人前になった者などいない!」
フラウボゥもセイラさんも平気で「それでも男なのか」と問いかけるし、アムロは「そうか、僕は男なんだな」と無理矢理自分を納得させて戦場に出なければならない。
おまけにガンダムしか頼れない状況ばかりなので、必然的にオーバーワークで、休ませてももらえない。
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…これ、今の時代、完全にアウトなやつじゃんか…。暴力肯定、過重労働の強制、ジェンダーバイアス。…そういうの全部当たり前の時代だったよなあ、そういえば。
男だから、女だから、そういう価値観の押しつけはやっぱりおかしいと思うし、反発もしてきた。
だが、それでも「男って…」と思うこともよくある。主に、弟や猫の行動を見てるとき。

年の離れた弟二人は子供の頃、よく奇妙な遊びをしていた。急流に流されて離れ離れになる親子の設定で、一人はスケボーに腹ばいになって「お母さーん!お母さーん!」と叫びながら遠ざかっていく。もう一人は襖の敷居から手を必死に伸ばして「こどもー!こどもー!」と叫ぶ。
飽きもせず繰り返されるその悲劇を、私と母は「あいつらは何をしているのか」と真顔で見つめてきた。

そして今、うちの男子猫二人が同じような遊びをする。
風呂の扉の内側から一匹がドコドコと扉を叩く。それに応えてもう一匹が外からドコドコ叩く。はて、アフリカンミュージック?…と思いながら風呂場に向かうと、猫が二匹、そのようにして嘆きの壁ごっこをしていた。その他にもケージの内と外、カーテンの内と外、ベッドの上と下など、二手に分かれてそれぞれの役割をこなして遊んでいる。
また、風呂のシャワーを出すと、華厳の滝のように見上げながら「俺はこんなに近くに寄れるぜ?」「俺なんてもっと!水とか怖くねえし!」というチキンレースを始めたりもする。
男という生き物は、種を問わず同じことをするのだな…と、感慨深く見つめる。
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吉田秋生海街Diary」3巻より。
うちの男子たちのY染色体にはきっと「生き別れごっこ」と書き込まれている。


さて、育ち盛りの男二人は人間でも猫でも暴れん坊なものなので、帰宅すると毎日何かしらの事件が起きている。
米袋が凌辱されていたり、トースターが引き倒されて床に落ちていたり、豆乳パックが食い破られていたり、土鍋が割られたり、猫おもちゃがバラバラ殺人の刑に処されていたり。
それらを猫飼い先輩の友人に報告するとこう言われる。
「やっぱ男子はちがうねえ。うちは女の子だから」「うちはそんなことしないよ?男子は活発だねえ」「性差があるんだねえ」

…そうなの…男だからなの?
そっかー…と納得することも、「ああ、ああ、そうですか!女子はいいですね!おとなしくて!」と思ってしまうこともある。
これはアレだ、完全に人間の子育てと同じだ。「男の子のお母さんあるある」だ。男児を持つ同僚も前に同じようなこと言っていたもの…。
そんな訳で最近、別に子持ちでもないのに「男子の母あるある」みたいな記事が好き。

男だから、女だから、どうだこうだっていう時代じゃないけど、やっぱり行動の違いはある。

うちの男子は向こう見ずな暴れん坊。生き別れごっこが大好きで、しょっちゅう喧嘩もする。「俺なんか超強いよ!」「俺、最強だぜ!」と強いアピールも欠かさない。掃除機にだってシャワーにだって果敢に挑む。ご飯の盗み食いもするし、いっちょ前に立ちションもする。暴れて物を壊した時の逃げ足は天下一品。怒られそうになればベッドの下から出てこない。甘えるときは力いっぱい。時々神経質、基本的にアホの塊。

…でも、アホな子ほど可愛いっていうから…実際可愛いから…。だからしょうがない。
時々疲れるけどしょうがない。女子を羨む時もあるけどしょうがない。
さて、大食い男子のご飯の用意でもするかね。