二度訪れる夏

学生の頃、夏休みはいつも、7月はすごくゆっくり感じられて「夏休みが始まった!」「まだこんなに夏休みが残ってる!」と思っていたのに8月に入ったらあっという間だった。

きっと学生さんたちは今「夏休み始まった!」とのんびり構えているんだろう。大人たちはビヤガーデンのオープンや子どもの夏休みや蝉の声や、学生がいなくなって空いた電車に「夏が来たのか」としみじみしているんだろう。

けれど、もう夏は相当たけなわだ。都市対抗も終った。みんな、甲子園が始まるまではまだ本当の夏じゃないと悠長にしているかもしれないが地方大会も相当進み、各地で決勝戦が行われ出場校が決まってきている。
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これは今年の愛知県大会の熾烈なベスト8組み合わせ。
今日、愛知県大会で愛工大名電中京大中京に負けた。名電OBの同僚タカハシさんは「夏、終わったな」と言っていた。
そうだ。
高校野球の地方大会が始まると夏が始まる。そして地方大会で負けると夏が終わる。
やってる選手達は本当に夏が終わって、高校3年間の部活が終わる。
見ているだけの人間は地方大会の終了と共に1度夏が終わり、甲子園の開幕でまた夏が始まる。

これは2014年
高校野球を地方大会から見るようになって、最初は自宅にテレビがなかったこともあり、なんとしてもこの目で見届けなければ、と有給をとって球場へでかけた。
テレビを買ってからもTVKの放送がなければ「絶対行かなければ!」と有給をとった。
だんだん年もとってきて、夏の日差しが億劫で「テレビでいいかな」と尻込みしたり、面倒くさいなあと思ったり。
けれどそんな私を急き立てるようにGoogleフォトが言うのです。
「2年前の今日はこうだったよ」

これは2015年の相模原球場

今は楽天イーグルスの藤平くん。

2013年、カメラを買って、嬉しくて撮った現日ハムの浅間くんと高濱くん。
毎年毎年この時期の写真フォルダには代わり映えしない写真が並ぶ。代わり映えしないけど確実に変わっている世代、確実に変わっていく高校生のお兄ちゃんたち。

だから今年も球場に行くんだ。「暑いんだろうなあ」とめんどくさがりつつ。曇り空に感謝しつつ。

若いってことにやたら圧倒されつつ。
やっぱ野球のユニフォームは高校生の太ももパツパツな着こなしが一番いいよな、とかちょっと変態みたいに思いつつ。

0-2のビハインドから同点2ランホームラン打ってベンチで監督におそらくチューされてる増田珠くん。1年の時からレギュラーだったけどもう3年生か。このままプロに行くかしら。

双方必死の形相でアウト、セーフアピール。

去年スーパー1年生って鳴り物入りで入ってきた万波くんの3ラン。


最後のボールをキャッチする増田くん。

土曜日の決勝戦のために予定は空けてあるけど、決勝まで行くかしらね。
きっと暑くてうんざりして面倒くさいって思いながら出かけるくせに、見てる間は暑いのも忘れてるんだろう。
勝っても負けてもそこで一旦夏が終わる。
あとはテレビで甲子園見ながらアイス食べている間に決勝が来て、そして本当に夏が終わる。
それは「水戸黄門」を見るのと同じくらいの様式美で、そんな繰り返しがしみじみ幸せ。