曲がり角ごとの驚きⅩ 使いみちのない風景

すべては冠を頂いた幼年期のなかに坐っている
曲がり角ごとの驚き
         トリスタン・ツァラ「内面の顔」

犬も歩けば棒に当たるし、曲がり角を曲がるたびに、
どこかへ出かけるたびに、おかしなものばかりが目につくし。

ベトナムの看板。おそらく高圧電流がどうのこうのってやつだろう。言葉のわからない私にも、言わんとすることは伝わる素晴らしい看板だが、なんて顔だ。

奈良井宿。臼改造型椅子。
人はどういうタイミングで「この臼、もう使わないな」と思うのだろう。息子が上京して餅をつく人がいなくなったとか、そういう時か。それでもなぜ「処分しよう」ではなく「そうだ!椅子にリメイクだ」と思えるのだろう。
しかし調べてみると、臼を改造した椅子はアンティークとして多く出回っており、それなりのお値段だ。
ちなみにこの椅子、割りと尻のサイズが限られる。

ベトナムのカラオケおじさん。年の瀬のお忙しい中、昼間から大音量でカラオケを歌いながら歩いてくる。かなり上手だが、なんなんだ、これは。

合羽橋。ネギスライサー・ネギー。そのまんまだが味わい深い。ネギー。

同じく合羽橋。つま太郎。「一気に仕上げる高性能。手切りにせまるつま太郎」なんと語呂の良いキャッチコピーよ…。

談合坂サービスエリアのクレイジーなホットドックさん。

大井町にて。いつから時が止まっているのか…。

スペイン。TUNA TOUR。ツナツアー。
要はあれだな。葛西臨海公園のマグロ周遊みたいなやつだな、きっと。
西洋人もマグロ周遊の雄大さには心打たれるものなのか。

バルセロナ。観光周遊バス停留所の屋根の上には各国語ガイドで使われたイヤホンが山積み。
目の前の老夫婦もやっぱり楽しそうにここに投げ捨てていた。
ゴミのポイ捨てというより、輪投げみたいな感覚っぽい。

仙台の水族館で目の前を歩いていた小学生男子のリュックについていた納豆ブローチを盗撮。
これすごく素敵。特にこぼれた納豆が。
欲しい。けど、作る気力と甲斐性はなし。

仙台うみの杜水族館で売られていたイカバッグ。怖い。

城ヶ島。行き倒れみたいな干され方のダイビングスーツ。

高松。この真ん中のマークは何なのか、あれからずっと考えている。

高知。強力ATM。強そう。何が強いのかわからないけど。

更に高知。「ソフトバンク会長王貞治様お客様です」って言われてもねえ。
ともかくソフトバンク会長王貞治様がお客様な果実店。

高松。一般道の中央分離帯
「この付近に生えるキノコ(オオシロカラカサタケ)は有毒で食べると中毒症状を起こします。持ち帰らないでください」との事。
こんな場所のキノコを採取して食べようとする猛者がいるのか…この四国の地には。

街はなんと驚きと不思議に満ちていることか。