君拾帖

すきなことだけてきとうに

亀は支える

好き、というわけでもないが、何故だか気になってしまうもの。
きのこ、貝、イカ、タコ、ダム、体毛、フォント、そして亀。

生きている亀も

剥製の亀も

石の亀も。
このサグラダ・ファミリアの亀は「時が経っても変わらない、普遍のもの」の象徴だそうだ。なるほど。

そしてこれは金毘羅さんの参道の亀。見つけた時、ハっと息をのんだ。
サグラダ・ファミリアの亀と同じ!」
初めて知ったことだが、これは亀趺(きふ)と呼ぶのだそうで、この亀は「贔屓」という中国の伝説の生き物なんですって。

贔屓は龍が生んだ9頭の神獣・竜生九子のひとつで、その姿は亀に似ている。重きを負うことを好むといわれ、そのため古来石柱や石碑の土台の装飾に用いられることが多かった。日本の諺「贔屓の引き倒し」とは、「ある者を贔屓しすぎると、かえってその者を不利にする、その者のためにはならない」という意味の諺だが、その由来は、柱の土台である贔屓を引っぱると柱が倒れるからに他ならない。 wikipediaより

重きを好むのか…。なんだか人間の都合のようで疑わしいが。
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そう言えば古代インドの人々も地球はこんな風に蛇と亀と象が支えてるモンだと思ってたんだっけ。
洋の東西を問わず、人間にとって亀とは支えるもの、重きを背負わせるものなのだな。


さて、これは江ノ島の土産物屋の亀。
海辺の土産物屋には必ずこんな風に亀がかけられている。
そして老人の家にもよく亀がかけられている。

となり町までバスに乗っていく道すがら、坂の途中の家の居間に亀がかかっているのがいつも見えた。亀がかかっているくらいだし、玄関から門扉まで手すりもついているし、高齢者がお住まいなのだな、と思いながら亀を見つめた。
谷まで降りていく、ちょっと憂鬱な坂だけれど亀が見えると「あ、亀だ」と少し元気がでたものだ。

しかし、その家に去年「売家」の看板が下げられて、亀のかかっていたリビングはからっぽになっていた。

ああ。
亀は長寿のお守りだからねえ、なんて期待を背負わされた亀はどこへ。
亀の存在に支えられていたであろうおじいさんだかおばあさんはどこへ。
あーあ。
これからはこのちょっと憂鬱な坂道、亀を見ることはないのか。
ああ、ああ。
西洋では「変わらないものの象徴」だって言うのに、変わっちゃうんだな
今になっても、あの家の前を通る時「亀がかかってた家」としんみり思う。

ダーウィンは航海中や研究中、亀に支えられていた。
私も結構、あの亀に支えられてたみたい。

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