曲がり角ごとの驚きⅢ こんぴらさん201703・奉納品

四国旅行を決めた頃、ちょうどブラタモリこんぴらさんの回で、特別に奉納品館を見せてもらったタモリさんが様々な奉納品を前に「いや、これ迷惑だよね」と苦笑していた。


そんなのは奉納品館だけのことだろうと思っていたら、こんぴらさんはそれ程甘い場所ではなかった。

象の像。アフリカ象。なぜ…。
アフリカ象の像なんて、動物園の象の墓とか以外で見たことない。
その横には恐ろしく巨大なプロペラ。

デカい、デカすぎる。
こんぴらさんは海運の神様なので造船会社が奉納したらしく、金刀比羅宮のホームページで「奉納当時、世界最大のプロペラ」と社長さんが誇らしげに述べていた。いや~…迷惑だって!

本宮の横には錆びた鉄釜二基。五右衛門風呂?と思って近づいたら、「あららぎ弁当店」との名前が書いてあったので「炊飯釜か!!」と驚く。でももしかしたら、うどん茹でる用の釜かもしれない。いずれにしろデカすぎる。

奥社への道に建つ「電話器械寄付」の石碑。明治二十三年、電話開通の年らしい。当時とても貴重なものだろうし、これは役にたったことだろう。
しかし、なんだ、このデカい石碑と電話機、どっちがメインなんだ。
こんぴらさんというのは己の信仰の深さを奉納品のデカさでアピールする場所なのか。
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象に比べれば珍しくもなんともないがもちろん馬の像もある。
「金」って書いてある。ええ、ええ、お金かかってんでしょうね…。
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吟詠の歌詞の額とか。どうしろと…。
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空き缶のアルミを再利用したソーラーパネルをとりつけたボート。
太平洋単独横断してきたのはご立派だけれども、もらっても…ねえ。しかも単独横断した人は航海前にこんぴらさんにお参りには来たものの、お賽銭を出さなかったと金刀比羅宮のホームページ上でちゃっかり述べている。
お賽銭出さなくても守ってあげる上に、やたら場所を取る巨大ボートの奉納を受け取るこんぴらさん、なんて心が広いんだ。
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ミトンのような、これは貝。奉納品館のみならず、ここにまで。
「デカイ貝とれた!こんぴらさんに持っていこう」って感じなんだろうか。

以前にどこかで、日本は国土面積の割に隕石の回収率が高い、という話を聞いたことがある。それは人口密度の高さもあるが、何より拾った人が皆、寺社仏閣に持ち込むからだと言うのだ。
確かに珍しいものを拾ったらお寺や神社に持っていこうという気持はわかる。
しかし、こんぴらさんでこんな奉納品の数々を見ていると、寺社仏閣も大変だなあ、との同情を禁じ得ない。

ブラタモリでも言ってたけど、むげにできないんだもんな。捨てられないんだもんな。もらっても途方に暮れるしかない物たちを。

ちなみにこれは琴電琴平駅前に何故か山積みにされている不法廃棄物。

こんな駅前なのに、誰も彼もがここに置きにくるんだな、と不思議だった。
これとあれとの違いはきっと祈りや願いが込められてるかどうかなんだろう。

人はこんぴらさんに、心の荷物や家庭の荷物、願いをこめたあれやこれ、捨てるにしのびないそれこれを置きにくる。