君拾帖

すきなことだけてきとうに

ぬくぬく

ぬくぬく (こどものともコレクション2009)

ぬくぬく (こどものともコレクション2009)

 

さむがりのようかいがいた。
からだにいっぱいわらをまきつけ、「ぬくぬく、ぬくぬく」とつぶやきながらやまのなかをあるきまわった
ぬくぬくがとおったあとは、なつでもひんやりつめたいかぜがふく

この奇妙な物語に、子供の頃、どうにも心をつかまれた。高校生になっても成人しても三十路をすぎても折に触れて思い出すくらいに強く。

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これがぬくぬく。
小心者で寂しがりでお人好しで、腰に山いもをぶら下げた原始人スタイルで、最終的には村の子どもに受け入れられたのが嬉しくて寒さも忘れるくらいウキウキして終わる、というハートウォーミングだが地味な物語。

自分が寒がりのせいもあってか寒くなるとふと、このしょぼい妖怪を思い出してきたのだけれど、暖冬かつ気忙しい日々の中でさすがに忘れていたら、ある日、弟から「長芋もらって」とLINEが来た。
なんでも弟の高校時代の先輩が網走農協で長芋を作っていて毎年送ってくださるとの事だ。
網走=極寒の地、刑務所、高倉健、というお約束イメージしかなかったので、なんてスゴい先輩だ!と感動しつつ長芋を頂いたが、ひと目見てハっとした。

これってぬくぬくが腰から下げてたアレだね?
まあ厳密に言うと、ぬくぬくが持っていた山芋は別名「自然薯」、日本原産の芋で、長芋は中国原産の芋なので違うのだけれど、見た目は完全にぬくぬくのアレ。

あまり馴染みのない食材だったが、食べてみたらとっても美味しい。
しかも相当保存も効くらしく、弟宅では1年ほど保管しているそうだ。
それならば、と弟経由で先輩に長芋を追加発注した。
ついでに懐かしの絵本「ぬくぬく」もamazonで購入。
相変わらず、絶妙に人の心をつかまえる表情してやがるぜ、ぬくぬくめ。

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ダンボール箱の蓋を押し上げるほどパンパンに詰め込まれたおがくずの中から、立派な長芋を掘り出しては、その立派さに「ぬくぬく、ぬくぬく!!」と浮かれたりする、ハートウォーミング且つ地味な生活。

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