曲がり角ごとの驚き

曲がり角ごとの驚き・27 ~知らぬが仏~

先日、田代まさしがまたしても覚醒剤でつかまったニュースを聞いてやるせない気持ちになった。ああ、麻薬って本人がどれだけやめたいと思っても抜け出せないものなんだなあ、と本当に怖かった。 アメリカ版シャーロック・ホームズの「ELEMENTARY」というドラ…

曲がり角ごとの驚き・25~苦難に耐えて~

以前、別ブログでこんな記事を書いたけれど、人間ジブリが出たら本当に危険な状態だと思う。 よしながふみ「1限目はやる気の民法」より、司法試験に失敗して精神を病んでしまった先輩の台詞。何度見てもゾッとする。やばい。 前のブラックな職場で徹夜明けの…

曲がり角ごとの驚き・24 逢いたくなった時に君はここにいない

あれは4才くらいだったかしら。風邪をひいて母と小児科に行ったら、小児科の入り口でペロペロキャンディーを舐めながら靴を履いている女の子がいて、私はそのキャンディーに釘付けだった。 帰ってから母に「何か食べたいものがあるか」と聞かれて「ペロペロ…

曲がり角ごとの驚き・22 猫またぎ

子供の頃はよく猫を拾った。放っておけなくて、猫ごと家を追い出されたこともある。 父撮影 全盛期には家に猫が4匹いた。 父撮影 まだ目もあいていない、耳も寝たまま、手のひらに3匹いっぺんに載るような生まれたての子猫の面倒だって一生懸命見た。 父撮影…

曲がり角ごとの驚き・21 コクとは何か

12月頭に久々に山に行ってきた。久々なのでお気楽に行ける丹沢。 甲子園風に言うなら3年ぶり2度目のコース。地味にキツいの忘れてた。 でもまあ、今年は見れないかなあと思っていた紅葉も見れて。 全長17kmのコース、最後は若干へばりながら舗装路へ出てバ…

曲がり角ごとの驚き・20 YOUは何しにここへ

「備えよ常に」 ボーイスカウトよろしく、この言葉がモットーな私であるが、ハイキングのつもりでうっかり雪の日光に行ってしまったこともある。 しょうがない、下界は晴れてたもの。 また、旅先で「ロープウェイ乗れば千畳敷行けるって!行っちゃお!」とつ…

曲がり角ごとの驚きXⅨ 命短し

人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。 中島敦 山月記 李陵・山月記 (新潮文庫)作者:…

曲がり角ごとの驚きXⅧ スキ+スキ=

古くはチョコレート+ミント、もはや日本においても完全に市民権を得たと言えるハニー+マスタード。ロイズがやりやがったチョコレート+ポテトチップス。朝マックのあの、甘い+しょっぱいベーコンっていうマックグリドル。もうついていけないチョコレート+ベー…

曲がり角ごとの驚きXⅦ あの日へ行きませう

あの日、青春18きっぷで行った登呂遺跡の登呂博物館では「登呂発掘と静岡市の近現代」という企画展が開催されていた。 キャッチコピーは「あの日へ行きませう」 なんともノスタルジックで、それに相応しく、戦後のレトロな品々や映画ポスターが展示されてい…

曲がり角ごとの驚きXⅥ コアラのマーチ

日々は結構忙しい。けれど割りと笑顔で過ごしている。 全てはコアラのおかげだ。会社の机の周りはもはやコアラの写真だらけ。デスクトップの背景ももちろんコアラだ。 どんなに営業にイラっとしようとも、デスクトップを見れば「ああーん、もうなんでもいい…

曲がり角ごとの驚きXV あの場所

ちょっと前から電車の液晶広告で「ダムパシャ」というのを見かけるようになった。 カメラ女子が八ッ場ダム建築現場で、“インスタ映え”みたいな写真を撮る、清水建設主催のイベントがあるらしい。 カメラ女子ブーム、大人の社会科見学ブーム、ダム萌え、ニッ…

曲がり角ごとの驚きXⅣ 熱々の五平餅

郷土料理のお店で生まれて初めてきりたんぽを食べた時の感想。「あ、ご飯」 飛騨高山で人生初の五平餅を食べた時の感想。「あ、ご飯」 どちらもつぶしたご飯を棒につけて甘辛系の味噌なんかを塗った感じの食べ物だ。 そんな五平餅、根強い人気があるのか、時…

曲がり角ごとの驚きXⅢ 傍観者・丼・後悔

傍観者には自己の歴史がない。傍観者は舞台の上に居るには居るがしかし、役者ではない。傍観者は聴衆ですらもない。芝居とそれを演ずる役者の命運は聴衆に左右される。が、傍観者の反応は彼以外の他の誰にも効果を及ぼさない。とはいうものの、傍観者は--…

曲がり角ごとの驚きⅫ コアラの園

春先に三浦半島へ遊びに行ったら「エデンの園」という老人ホームの広告がバンバン貼ってあってちょっと驚いた。 エデンの園…か。エデンの園ってあの、パンツはいてないとこだけど…。 * それはさておき、関東でコアラを見ることのできる動物園は3つある。多…

曲がり角ごとの驚きⅪ ぼくらが旅に出る理由

高校時代の友人Tと、もうかれこれ20年位ずっと年に数回旅行に出かけている。 Tはやたらめったら忙しいと評判の職業であるSE故、毎日帰宅も日付が変わる頃らしい。その時間には既に就寝中の私の携帯に時折Tから不穏なメッセージが投げ込まれている。 「普通の…

曲がり角ごとの驚きⅩ 使いみちのない風景

すべては冠を頂いた幼年期のなかに坐っている 曲がり角ごとの驚き トリスタン・ツァラ「内面の顔」 犬も歩けば棒に当たるし、曲がり角を曲がるたびに、 どこかへ出かけるたびに、おかしなものばかりが目につくし。 ベトナムの看板。おそらく高圧電流がどうの…

曲がり角ごとの驚きⅨ 青木の仕業

埼玉で過ごした高校時代、後輩がほりのぶゆきにハマっていて「先輩も読んで下さいよ」と薦めてくれた。江戸むらさき特急(2) (ビッグコミックス)作者: ほりのぶゆき出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/12/15メディア: Kindle版この商品を含むブログを見…

曲がり角ごとの驚きⅧ 大根というモード

出会いはいつでも偶然の風の中byさだまさし これは江戸東京博物館に展示されていたデザインスタンド。 人々の暮らしがどんどん近代化されていく中で、ただ単に便利さだけを追い求めた物ではなく、デザインを楽しむ余裕が出てきたとかなんとか、そんな流れの…

曲がり角ごとの驚きⅥ 貝ともにいまして

地図に貝塚と出てきたのでふらっと立ち寄った。 割りとカジュアルにその辺にあるもんなんだな、貝塚。 これは神奈川県立生命の星・地球博物館に展示されていた縄文人が食べた貝。アサリ、ハマグリ、マガキ、オキシジミ、今と変わらぬラインナップ。 こちらは…

曲がり角ごとの驚きⅤ 201603築地・はたらくくるま

「11月には豊洲に移転しちゃうから、築地を見ておく?」と水産物輸入業に従事していた友人に誘われ、人生初の築地市場に行ったのは去年の3月。 朝3時30分、ホテルの窓から見下ろす場外。こんな時間でも車がたくさん。 場内では、高速で行き交うターレーに圧…

曲がり角ごとの驚きⅣ 鳥とりどり

ここ数年、唐揚げブームなのかやたらに唐揚げ専門店を見かけるようになったが、ついにうちの近所にも誕生した。 大分が唐揚げの聖地だなんて知らなかった。 いや、そもそも唐揚げに聖地があるなんて思いもしなかった。 ましてや「日本唐揚協会(JKA)」なん…

曲がり角ごとの驚きⅢ こんぴらさん201703・奉納品

四国旅行を決めた頃、ちょうどブラタモリがこんぴらさんの回で、特別に奉納品館を見せてもらったタモリさんが様々な奉納品を前に「いや、これ迷惑だよね」と苦笑していた。 そんなのは奉納品館だけのことだろうと思っていたら、こんぴらさんはそれ程甘い場所…

曲がり角ごとの驚きⅡ 像あれこれ

しかし考えようでは、曲がり角をまがることは胸さわぐ快楽でもありうる。 曲がり角のむこうには素敵な出会いが待ち受けているかもしれないし、だいいちそれまでの、いいかげんうんざりしていた世界に背をむけて、新しい風景のなかに入っていけることはほぼ確…

曲がり角ごとの驚きⅠ スペイン201608・ピクト

すべては冠を頂いた幼年期のなかに坐っている 曲がり角ごとの驚き トリスタン・ツァラ「内面の顔」 犬も歩けば棒に当たるし、曲がり角を曲がるたびに、 どこかへ出かけるたびに、おかしなものばかりが目につくし。* 乗り継ぎをしたドーハのハマド国際空港の…